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| 2003年06月09日(月) |
フラメンコは楽し。●桜の森の満開の下(坂口安吾) |
●午前5時に寝たら、7時に目覚めてしまう。昨日だって3時間しか寝ていないというのに、わたしったらなんだか変だ。労働していないというのは、こういうことか。でもまあ、ワタクシ的に言えば、模索している今の方が仕事をしていることになるはずなんだよなあ。周りから見れば、ただ休んでいるだけかもしれないが。
●楽しみにしていたフラメンコのクラスだが、そりゃあやっぱりフィットネスクラブで提供するものに過ぎないから、初参加とは言え、フラメンコシューズを履いていたのは、センセイとわたしだけだった。みんななんと、ジョギングシューズでセビジャーナスを踊るのだ! でもまあ、そんなことはどうでもよし。なんとなく、あの12拍子を聞きながら体を動かすだけで、思いっきり地面を蹴るだけで、わたしはご機嫌。その程度でよいのだ。 スペイン1ヶ月滞在の振り分けは、3週間が公演の稽古と本番で、1週間がバカンス(!)だった。この1週間を利用して、セビリアに行き、日本を発つ前に紹介されていたフラメンコの踊り手のお家を訪ねた。ジプシーである彼らと一緒に、いくつかの通好みのタブラオを回り、堪能し、舞台のはねた後には、楽屋を訪ねた。それはもう、興奮の連続。見ているだけで血湧き肉躍るような体験。 で、単純なわたしは帰国後すぐに習い始めたのだが、もちろん見るとやるとは大違いで、そうそう楽しいことばかりではなく厳しいレッスンの連続。でも、やっぱりかき鳴らされるギターに乗って、「あからさまに女でいていい」踊りを踊り、地面を打つ足でリズムを刻むことは、たいそう楽しいことだった。続けていられれば、今頃はどれくらい踊れていたかなあ。 いや。 本当に続けていたいなら、どんなことがあったって続けることが出来る、ってのが人生であるからして、そんな仮定は成立しない。だから、わたしには、フィットネスクラブで真似事をするだけでも、十分楽しいってことになるわけだ。
●昨日から本の紹介を別のページに書き始めたのだが、これはけっこう大変なことだと思い知った。今読んでいる未読の本と同時に、ついつい、かつて読んだ本を読み直してしまう。今日も、ドストエフスキーのことを考えつつ、本棚からつい坂口安吾など取り出してしまい。……これでわたしはまた、読書に呆ける時間が増えてしまいそうだ。……まずいな。 (このページとIndexページの下部にリンクを設置しました。)
●こうしてまた、どうでもいいことを書いているわたしのために、夜中におそばを作ってくれているA氏がいる。人に料理を作ってあげることはよくあるが、こうして作ってもらうことなど滅多にない。何か、母が料理を作ってくれた時の、誰かの庇護下にあるという穏やかな安心感みたいなものを感じる。 A氏に料理を作ってあげると、そのたびに「極楽だ!」とこの上なく喜んでくれるが、その気持ちがちょっと分かった。 恋人は、同じくわたしといても、美味しく落ち着く店でちょっと贅沢な外食をし、お気に入りのバーで美味しい酒をわたしと囲むことを好む。その喜びを、確かにわたしは恋人と分け合ってきた。 色んな喜びがある。でも、色んな男を選ぶことは出来ないのだ。少なくとも、今のわたしには。
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