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2003年07月01日(火) 深まる闇。

●総理現役時代から不用意な発言でさんざん問題を起こした森喜朗氏が、また、少子化問題調査会で、馬鹿なことを言っていた。
 子供を産んで国に貢献してくれた女性にご苦労様と、税金は使われて然るべきものだ、と。子供も産まず、国に貢献しない女性に、福祉が適用されるのはどんなもんか、と。
 そりゃあ、女性議員は怒るよ。お茶の間の女性陣だって怒るよ。
 まったく、暴言吐きたけりゃ、料亭にでも行ってやってくれりゃあいいんだけど、相変わらず、公人としての自分の発言がどういう意味を持つかということが、分かっていないらしい。

 新聞で読むだけなら、わたしもまだ鼻で笑ってすんだものを、TVのニュースで、それを語るときのお気楽に緩んだ顔と、後になって弁解するときの、社会性のない餓鬼みたいな顔を見て、ちょっとムカムカがおさまらなかった。
 とにかく、ことばを発することが何事であるのかくらい、成人なら分かってろ。

●フラナリー・オコナーを、一篇ずつ大事に大事に読んでいる。上巻では「暴力」がこの人のモチーフだと思ったが、下巻に至ると、それは普遍的な、人間の「殺意」になっている。
 同時に、「病気志願者」という本を読み始めた。虚偽性障害、ひいてはミュンヒハウゼン症候群などを詳説するものだ。オコナーを読んでいるときは(彼女は二次大戦後の冷戦期に小説を書いている)、人間の裡の闇はこの頃とまったく変わらないなどという印象を持ったものだが、いやいや、闇はさらに深まるばかり。枝葉末節は伸び放題に伸び、絡まり合い、その全体像は見渡すこともできない。どう視点を変えても、あまりものカオス。

●仕事に出て行く前夜であっても、この夜更かし癖は止まらない。気の済むまで読んだり書いたりしないと、眠れない。A氏はもうすぐ起きる時間だ。目覚めの前にほんの少しだけ、隣に滑りこんであげようか。


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