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| 2003年07月27日(日) |
野音でJazz。●サリンジャー戦記(村上春樹・柴田元幸) |
●可愛がってもらってるプロデューサーに誘われて、野音にjazzを聴きにいく。野音なんて、何年ぶりだろう。 4時開演で5組。東京は久しぶりに暖かくって、野外はいい気持ち。3組目までは、まあ、なんというか、聴いても聴かなくっておんなじって感じの音で、後ろの方に座っていたこともあり、ずっとおしゃべりしている最悪の観客となる。まあ、それも野外ならではのこと。蝉の鳴く声だってずっとシンクロしていたし。 最近の演劇界事情とか、文学界事情とか。あれこれと、お互いの最近の収穫を語り合う。
4組目の登場で、二人とも「ああ、やっとjazzが聴ける」という思いでやおら黙る。 Stevie Wonder"Over Joyed"のオリジナルアレンジが素晴らしい。名曲を聴きながら、二人の男を想う。……いい曲ってのは、どうしてもそういう感情を喚起してしまうものなんだなあ。ちょうど陽が落ちる時間で、色の変わっていく空を楽しみながら、短くもいい時間。この一曲を聴けただけでも、行った甲斐があった。
ラストの真打ちはケイコ・リーだったが、二人とも彼女の声があまり好きではなかったので、一曲聴いただけで、食事へ。後輩の若いプロデューサーが加わって賑やかな食事。 わたしはどうしたことか、ずっと毒舌をはきまくる人になる。仕事のことから世の中の三面記事的なあれこれとか、恋愛のこととか、なんだか調子よくばっさばっさと斬りまくる。受けるものだから、また調子にのってしゃべる。 どうも、このところの自己嫌悪とか、自らの愚かさへの自己批判とかが、そんな形で出てしまったらしい。二人は楽しんでいたようだったが、自分自身は、なんだか心中げんなり。たった1本分のワインで、珍しく悪酔いし、おとなしく帰途につく。
●サリンジャーという作家。イノセンスを求めて、求めて、得られず、隠遁生活の中でいまだに発表しない作品の執筆を続けているという。 一人の人が、一つの人生をどう生きるか、どう生きざるをえなかったか、どう生きることを選んだか、というようなことを、深夜、ひとり想う。
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