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| 2003年08月09日(土) |
忙殺されて。●阿修羅ガール(舞城王太郎)●大力ワーニャの冒険(プロイスラー) |
●久しぶりだなあ、日記を書くの。 どんなに忙しくても今年は少しずつでも書いていくのだと、永井荷風先生の日乗を読んだ正月に思ったのだったが、このところの忙しさに、つい。 休みの間に本を読んでないと気が済まない習慣がついていて、忙殺されるだけの1日を書く時間があれば、読んでいたい気持ちだった。
それにしても、突然忙しい。 朝から晩まで動き回っていたり、朝から晩までコンピュータに向かっていたり。まったく、寝る時間を惜しんで働いている。 別に、いつもより大変な仕事をしているわけではない。お金のないカンパニーだから、仕事の出来る人が少ないのだ。人員削減のおかげで、わたしにどっと仕事が回ってくるというだけのこと。
その上、恋愛がらみでも、相変わらず気持ちの浮き沈みが激しい。本を読むのは、活字中毒というよりは、物語に逃げ込んで現実から目を背けているのか……?
●仕事の合間に、頼まれていた、GOのお守り袋と、防災頭巾のキャリーバッグを縫った。なかなか可愛らしい。でも、けっこう時間がかかってしまい、その分残務に追われ、今夜はたぶん徹夜。
●評判にはなっているが、わたくし的には読まなくてもいいかと思っていた「阿修羅ガール」。三島賞の選考評で、宮本輝氏があまりにけなしているので、逆に読んでみる気になった。そこまで、作家を嫌な気持ちにさせる小説ってどんなもの?って感じ。 それが読んでみると、悪くないんだな、これが。 徹頭徹尾、作為の嵐。下品めのガーリッシュな語り口、リアリティーがある。2ちゃんねる風巨大掲示板の延々描写も、ほんものの気持ち悪さに迫っているし、挿入されるおとぎ話の怪物も、「モンスター」の名前のない怪物くらい魅力的。……最後の最後に、なんだか落ち着くところに落ち着く感じが、面白くないが、それでもまあ。 何より、宮本輝氏が、何を嫌がったかが自明で、それがすごく単純なことで、でもその単純さが、今の文学界では大問題になってしまうところが面白い。
●仕事を覚えたての若い子を何人か使っている。みな素直で一見真面目そうなのだが、何を教えても、一緒に作業しても、豆腐みたいな歯触り。 がむしゃらになることがなく、言われた以上のことはやらない。(だから、言われたことも真っ当できない) 与えられた時間は、とりあえず頑張ってみるが、家に仕事を持ち帰ろうとは決してしない。 だから、「やれ!」という前に、わたしはわたしが仕事をする姿勢をとりあえず只で見せて勉強させてやっている。ついて来る奴はついてくるだろう。 人より好きだったり、人よりやる気があったり、人より欲望が強かったり。と、そんなことから、仕事はふくらむ。
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