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2004年01月19日(月) |
読書の休日。●シンセミア下巻(阿部和重) |
●寒い、寒い、ほんとうに寒い毎日。特に今朝の冷え込みは格別だったような。 今日は稽古休み。約1ヶ月は休みがなさそうなので、心して色んなことを片づけようと思っていたが、結局「シンセミア」を読了して以降は、2時間ほど仕事をしただけで、ほとんど何も為せずに1日が終わろうとしている。
●「シンセミア」に衝撃を覚えたので、久しぶりにReviewを書こうとしたのだが、長らく書いていないせいか、文章がうまくまとまらない。2月、本番生活に入ったら、退屈なホテル暮らしの中で、書き方を思い出すことにしよう。 それにしても「シンセミア」。 山形県の小さな共同体を精細に描くことによって、世界を俯瞰するような小説。それもかなり、悪意と倒錯に満ちた世界。人が存する限り生まれくる、あらゆる欲が形作ってきた時間を、縦に横に、描きまくる。読者は、作者の手になる精緻な箱庭のような世界を覗き見ることに、ただならぬ興奮を覚え、ページをめくり続ける。 同世代がこのような作品を産み出すことに、ちょっとした嫉妬を覚えて過ごす休日だった。
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