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2004年01月21日(水) 成長とか、成熟とかいうものって。

●化粧をしていないと「疲れてるのねえ」とか言われてしまうので、化粧をし、食べないと働く元気がでないので食べ、眠らないと集中力がなくなるので眠り、と、どうしても仕事を中心に生活がまわっており、そのほかのことで人生を楽しむことが少ない。昨日も書いたが、本を読むことくらいが、仕事と関係ない楽しみか。
 恋人と離れていると、生活には仕事しか残らない。20代だったら、すぐさま別の恋人を探すところだが、特定の他者を愛するということに対する感覚が、あの頃とは全く違う。
 そのこととは全く意味合いが違うが、加藤典洋氏の川上弘美小説を表する文の中に、気になる文章があった。

●引用。
『若者は怖いもの知らずで「叡智」に欠ける代わり、謎を探求するための「無謀な純粋さ」を持っている。一方、年老いた人間には「叡智」があるが、「無謀な純粋さ」はもうない。そしてこの「無謀な純粋さ」なしに「叡智」は無意味であることを、よく知っている。』

人は、歳を取るにつれ、得る代わりに失っていく。勝ち取る代わりに剥奪されていく。そう思うと、「成長」とか「成熟」とかってことばは何なんだろうという疑問に取り憑かれる。うーん……。


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