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●わたしを励ます会という飲み会が催された。 構成メンバーは、わたしがオーディションで選んだ俳優たちだ。稽古中ずっと続いた役取り合戦で、いい役や台詞をもらった者もあり、敗退した者もあり。それぞれが、自分の現在と闘いつつ、怖いくらいの結束力、気持ち悪いくらいの仲良さで、日々の公演をこなしている。 わたしが旅公演中にへこんでいたことを何気に察知して、誘ってくれた。
彼らがどきどきしながらオーディションに臨んだこと、わたしが彼らを選んだこと。そこからすべてが始まっており。稽古でわたしの期待に応えた者、応えることができなかった者、それぞれがそれぞれの事情と心情を抱えながら、わたしを信じ慕ってくれていることが、うれしかった。 3時間、これでもかと大騒ぎして、笑って、今まで聞くことのなかったぶっちゃけた話をたくさん聞いて、他者と出会う仕事の喜びを実感した。
看板とのつきあいで人間不信のような状態に陥っていた時も、彼らの視線がわたしに降り注がれていたと思うと、何やら神妙な気持ちになる。彼らがわたしの背中を追いかけていたと思うと、気持ちが引き締まる。 社会人としての、自覚のようなもの。自分は開かれている場所で、人の視線を浴びながら仕事をしているということの再確認。
まあ、そんな難しいことを言う前に、実に実に楽しい夜だった。いつもそうなのだけれど、人間とのつきあいで傷ついた時は、人間によって救われている。なんだか、生きてるって感じだな、これは。
●今日、東京には、暖かい、暖かい、風が吹いた。今年はなぜか花粉症の症状が出ないので(酒量が減ったせいか?)、ひたすらに春を感じて心地よかった。 なんたって春はいい。何もかもが、新しく芽吹いていくじゃないか。 でも、夏がきたら、夏は最高と思い、秋がきたら秋が好きと思い、冬がきたら冬が心身にしみると思い、生きていけば、面倒な人生でも、そんなにへこみ続けることがないんじゃなかろうか?

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