水の街 流れては ぶつかり合い 衝動に憤る 立ち止まり大声で泣きたくても この街はそれを許さない
人は流れる 私は立ち止まりたいのに 誰にも逆らえない
空は黒い でも立ち止まれば星は少しづつ見えてくる 同じ月に遠い誰かと交信することもできる
水の街に生まれ 暗い空に光を探し ずっと居場所を探し続けてきた
電車に乗ってこの街を捨てようと 遠い街や時の止まった山奥へいったりもしたけれど どこにも居場所はなかった
それもそのはずだった なぜなら私は一人だったから
私は気付かなかった 君が隣にいることで すべてを居場所にできるなんて。
息苦しい水の街 時の止まった山奥 君の生まれ故郷 ひざを抱えて座る月明かりの滑り台の上
君がいて すべてが居場所になる 手を繋ぎ 隣を歩く それだけで 私の不安と孤独 全部を 安心に変えて暖かな場所にする
首に下げた鍵 薬指の指輪 そして明かり。
遠く 離れ離れになって 私はまたこの街で自分を失うかも知れないけれど そうしたら夜空を見上げて 月をみつける
あの日滑り台に座って 君を一人で考えていた日を思い出す 居場所をありがとう。 隣に居てくれて
ありがとう。 | |
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