便蛇民の裏庭
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2002年04月19日(金) 祭りのあと

迎えにくるはずだった友人から、電話が。

「ごめーん、いけなーい、うふっちゅーーーーーっ」

こんな泥酔加減の彼女は見知らぬ人。

「便ちゃんタクシーで来い、タクシー代出すからぁん」

「今どこにいんの?」

「他のトコー」

「(行きつけの店には)来れるの?」

「んー、いくいくーいっちゃうーーーーーー」

壊れてます。

「まさかおぢちゃんと飲んでる?」

「うん。でも便ちゃん嫌がるから捨てていくー」



待ち合わせの店で待つこと30分。
ようやく現れた彼女はかなりの酔っ払い振り。
今まで見た中で3本の指に入る。
いや、トップだ。

彼女のケイタイにメールが。
返信する彼女。

「うわー、返信かえってこなーい。直接ここにくるかもー」

ゲラゲラ笑っている。
そして数分後に現れたおぢちゃん。



「実はあたしー結婚してるんでーす♪」

彼女が結婚指輪をしているところを初めて見た。


そっか。


今まで『未婚』として遊んできた人たちに
お別れの儀式して歩いてたんだ。

彼女は、泣きそうな顔で笑ってた。



「便ちゃん、やろ。今日はイクとこまでイっちゃお!
あたしの指テクで潮吹かせちゃうぞっ!」

「ぼくはきみとは寝ないよー」

「いやーんケチケチー」

いつものおふざけじゃない。
彼女は人の体温を恋しがってる。

ぼくは彼女のそばにいてあげることはできるけど
朝には家に帰らなくちゃいけない。
彼女が旅立つまでずっと抱きしめてあげている事は出来ない。



彼女は別居していたご主人の元へ帰る。

揺れて揺れて、
気持ちがぐらぐらになりながら決めたこと。



ぼくは彼女と朝まで過ごすハズだった最後の夜を
諦める事にした。

エロおやじがエロじゃない状態で彼女を連れて帰った。
後姿が切ないエロおやじだった。



行きつけの店のマスターは
その時初めて彼女が既婚であった事を知って

「ぼくは口が軽いと思われてたんですかね」

と、少々怒ってた。

「マスターがみんなにいらぬ嘘をつかずに済むように
って思ってたんでしょきっと」

ぼくはマスターと朝ご飯を食べながら
今度彼女に会えるのはいつかなーと考えてた。






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