便蛇民の裏庭
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美容室へ行った。 久しぶりに短めにカットしてもらって てくてくと家に向かって歩いていた。
美容室はうちから歩いて10分もしない。
そんな夕暮れの帰り道 突然胸が熱くなって涙が出てきた。
一人で美容室に行き、一人で帰宅する。 それは今までは当たり前のことだった。
でも今の自分にはとても遠くて 一人で外に出ることは恐ろしくて 知らない人とすれ違うのもなんだか怖い。
今日はその距離を、 足が痛くてもひとりで歩けた。 恐怖心に襲われることなく 視界に歪みが生じることもなく。
嬉しくてたまらなかった。
家に入ると息子が出迎えてくれた。
「ただいま!」 「おかえりー」 「ねぇっ、髪切ってきたけど、どう?」 「…びみょー…」 「び、微妙〜?微妙って?なにぃ?ダメ?かわいくない?」 「あぁ、かわいいかわいい」
そういってTVゲームに戻る息子。
…うわぁぁぁん。
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