The Five Senses
DiaryINDEXpastwill


2002年07月05日(金) "My lips are sealed"

なんだかこの頃余裕がなくなってきているのが自分でもわかる。
癒されることなくそのままきているのでどんどん磨り減ってきている。
かといって何をする気にもなれない。
とりあえず、この頃かろうじて映画を見ているぐらいだ。
しかし仕事が終わった後に見るので、どうしてもうつらうつらしてしまう。
早くこの生活を抜け出したいと思う…けど、
それは向こうに帰ることを意味するので…。う〜ん。

Jungle Feverを観る。
Wesley Snipe主演、Spike Lee監督、出演。
本当はDo the Right Thingを観たかったのだがなかったので。
実を言うと、大物がちょい役などで多々出演。
ん?なんか見たことある顔と思ったらHarry Bellyだったし,
Samuel L. Jacksonはジャンキーな兄役で出演。
2,3分しか出てこないが、Snipeの白人上司役が、
なんか似ていると思ったらTim Robbins
白人、黒人のインターレイシャル リレイションシップ
の難しさ、双方から相手への先入観、そして差別。

Snipeが浮気相手の白人女性とふざけてボクシングごっこをしていると、
近所の人に警察を呼ばれ、Snipeがホールドアップされてしまう。
その白人女性は恋人同士だ、とかばうが、黒人のSnipeは白人警官がそれに対して
どう反応するか知っているので、懸命にただの友達同士だ、と主張する部分が
人種問題によって妨げられる関係、又そういう風に言わなくてはならない時がある
という社会を作り上げられてしまった現状に愕然とした。
1991年、10年前のNYではこんなものだったのかもしれない。
今だって大して変わらないのかもしれないが。

友達の彼氏がカリビアンで、見た目はブラック。彼らが街を歩いていると
“ん?アジアンとブラックが一緒に歩いているぞ”
と好奇の目や違った目で見られると言っていたのを思い出した。

Spike Leeの映画は主に黒人が直面してきたつらい歴史を引きずっているアメリカ
の現代における人種問題を様々な方向から描いていて、よくドキッとさせられる
過激な台詞や場面が出てくる。多少黒人主義的な部分もあるのも確かだが、
黒人が受けてきた侮辱、苦しみや歴史などをそこから感じ取れる。
今回の映画も然り。


成り行きで白人女性と不倫をしてしまった妻子ある黒人の有望建築家が、
異人種間の恋愛の困難に気づいて行き、結局は元に戻っていく話。
ただの不倫映画で昼のメロドラマになり兼ねない題材なのだが、
そこに人種問題を取り入れ、Spikeの鋭い観点から描くことによって
彼自身の映画ができあがっている。
また、不倫相手の白人女性と付き合っていた人が彼女に振られ、
しかも黒人と付き合っていることにショックに沈んでいたのが、
最後にはその女性が戻ってきてまたやり直そうというのを断り、
今度は自分がいつも自分の店に来るきれいな黒人女性と付き合う、
と言う皮肉などもたっぷりと織り込んである。う〜ん。

総合的に見て大した映画じゃないと思うのだが、
黒人の女の人たちだけで黒人の男について話しているシーンは、
納得したり共感する部分がかなりあっておもしろかった。

そして、ミュージック バイ Stevie Wonder.

いや、書いた割に大した事はない映画なのだけど、
Spikeサンの映画の中では。
他に見たのでは、Get On The Bus, Clockers、そして話題作のMalcolm X.
またこの次ぎに書こう。





ai |MAIL