Sotto voce
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久々に、元同僚のT氏に会った。
同じ職場で働いていたときは、社長の「言葉のサンドバッグ」状態だった彼だが、
職場を離れたことで吹っ切れたのか、本来の人のよさそうな笑顔が
その輝きを取り戻していた。
彼は年が明けたら県外へ出る予定で、失業保険が貰えるうちに
さまざまな免許資格を取っている、と笑っていた。
うちの会社を辞めた人のほとんどに言えることなのだが、
彼らが会社を辞め、新たな道を歩み出してから偶然会えたりすると
会社にいた頃よりも生き生きしているのがあからさまにわかる。
たとえ、報酬や雇用条件面がさがったにしても、だ。
それでもT氏が、別れ際に言った、
「Kさん(私)が会社辞めると、事務所はがたがただろうなあ。 何でも知ってる、『かゆいところに手が届く』人がいなくなるんだから」
たとえお世辞だったとしても、その言葉は、
いろんなことで暗く沈んでいた心を浮上させてくれた。
いっしょに働いていたときは、
近くにいすぎて彼の誠実さ生真面目さをうっとおしく感じることも正直あった。
でも、いなくなってから、彼の存在の偉大さを感じる。
彼は、我々事務所チームの「精神的支柱」であったことを
彼がいなくなってから改めて気づかされてしまったのだ。
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