Sotto voce
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TVの向こうで
あなたが御執心の姫が歌ってる
言葉をなくしたあなたは
この声に惹かれたのね
歌姫を称えるために
あなたが築いた城
ちょっと前までは
あなたが自分の言葉を誇らしげに掲げていた場所
その言葉で誰かを傷つけなければ
言葉をなくしていく怖さに耐えられなかったんだね
誰よりも強いふりして
本当は誰よりも臆病だったひと
誰も知らない場所で
新たな仲間たちの真ん中で
あなたはやっぱり王様気取り
それでも
そんなあなたに
どうしようもなく心惹かれていた私がいた
あなたが称えるあの歌姫のように
あなたの発するものに
熱に浮かされたように惹かれていた私がいた
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