Sotto voce
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2006年06月22日(木) |
どの面下げて会いに行けというのか。 |
妹が入院した。 原因は、拒食。
食べると吐き気がするから、と 食事を取らずにいたら、 とうとう自室から台所までの ほんの数メートルさえ 立って歩くことが出来なくなり 母が病院に連れて行ったら その場で入院決定だそうな。
妹の入院話は父から聞いた。 母から借りていたお金を返しに 母宅へ行って、妹の不在を問いただしたら 渋々入院したことを教えてくれたそうで。
その後母から電話があり、 絶対父には言うなよ、と緘口令を敷かれた上で 病院名を教えてもらった。 父が原因で自殺未遂するぐらいなのに 父がのこのこ病院に来たら意味がないからと。
最初は私にも言うな、と妹は言ったそうだ。 父と暮らす私の顔さえも見たくないのだ、と 少なからずショックを受けた。
後日母から、一緒に病院に行かないかと誘われた。 妹も症状が安定して、姉ちゃん(私)になら 話してもいいよ、病院に来てもかまわないよ、 ということになったわけだが、 今さらどの面下げて会いに行けというのか。
顔は父似、性格は母に負けないくらい気性が激しい妹。 活発で、言いたいことははっきり言う。 その分敵も多かったが、なにせその性格だから その敵さえも打ち負かす勢いで 自分の立ち位置を築きあげてきた。 いちいち細かいことを気にして悩み、 三十路過ぎても他人と上手くコミュニケーションがとれず 自分を過小評価して卑下する私とは正反対なのに。
父もそうだったが、妹を知る人は、 妹が欝状態にあることを知ると必ずこういう。 「●●ちゃん(妹)がそうなるなんて信じられない お姉ちゃん(私)の方ならともかく」、と。
まあお前は意外と無頓着で無神経で図太いからな、と その後父は言い放ったわけだが。 こういうのを聞くだけでも、 我々姉妹に対する父の評価や存在の重要さは 「妹>私」だってのを痛感するわけだが。
その後、(前回日記に書いた)父の同僚の女性が 「●●ちゃん(妹)入院してるんだって?」と どこの病院にいるのかと探りを入れてきた。 母よ、病院教えなくて正解だったよ、と 腹の中でつぶやきつつ、自分も教えてもらえないと嘘をついた。
彼女にばれる=父にばれるわけで。 仮に父に言わなかったにしても、 のこのことこの女が病室に現れたら 妹がどんな思いをするかなんて容易に想像がつく。 それくらい、私たち姉妹はこの女性を敬遠しているから。
もう、私たち家族、姉妹は もはや修復不可能な状態なのかもしれない。 私や父の存在自体が、 妹の精神衛生上よくないことなのだと 認めたくなくてもどうしようもない事実なわけだから。
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