Sotto voce
DiaryINDEXpastwill


2007年05月25日(金) 言葉は刃。

今、ある人のサイトを立ち上げる手伝いをしている。

多忙な作者に代わって、
その人の作品を掘り起こし、
ものによっては紙媒体のものをテキスト化し、
改めてweb上に晒す為の作業をしている。

自分を詩を書く人だから余計にそう思うのかもしれないが、
正直過去の作品を掘り起こす、というのは
肉体的にはもちろん、精神的にも辛い作業だ。

その人が綴った言葉が
その作品が書かれた頃の自分の心境にリンクして
心の中の古傷を深く鋭く抉られそうな
治りかけの瘡蓋を思いっきり剥されたような
そう言う感覚に陥ることがある
どうしようもなく不快な気分になって
吐きそうになったことも一度や二度じゃない

その作者に関わっているから
その人がどんな人かどんな行動をしてきたか
その時々のことが思い出されて仕方ない。

言葉は刃、言葉は毒。
使い方によっては高い殺傷能力を持つ。
そういう紙一重の危うさを含んでいる

降りようと思えば簡単にできるだろう
でもあたしはその人に約束をした、
任せてもらったからにはきちんとやる、と。

作業をしながら自分にも言い聞かせている
逃げるな、と。
過去の自分の気持ちと向き合え、と。


安積 紗月 |MAILHomePage

My追加