Sotto voce
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2007年06月05日(火) 新屋敷電停。

土曜の夜(時間的に言うなら正確には日曜だが)、
電車通りをひたすら歩いていくと、
目線の先にぼんやりと青地に『新屋敷』の文字が見えてきた。

このまま電車通りから逸れ、
細い路地に入れば大切な友人の家がある。
衝動的に(本来の目的地とは真逆方向の)横断歩道を渡り、
路地に入り、友人宅の間近に来て我に帰る。

こんな時間に押しかけて行って何をしようというのか。
街灯に照らされた時計の針は既に2時を経過している。
いくらなんでも、夜中2時過ぎに押しかけるなんて
非常識以外の何物でもない。
仮に友人が受け入れたにしても私が彼女に何を話せようか。

止むことのない細かい粒子の雨が
ざわつく心をさらにかき乱す。
吹き付ける強い風は頬に落ちる涙をあっという間にさらう

移動時間4時間、逢っている時間は2時間足らず、
相手の都合と自分の懐具合の都合とはいえ、
途中で相手の車から降り、夜中の街をとぼとぼ歩いている自分。

私は何をしているんだろう
私はどうしたいんだろう
この消えようのないもやもやを
どうやって吐き出せば私は楽になれるだろう。

友人宅前から引き返し、再び電車通りに戻る。
こんな場所でもさすがにタクシーは少ない。
目的地まであと数km、
とにかく明日の為に家に帰らねば、
その思いだけが私を前に進ませていた。


安積 紗月 |MAILHomePage

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