Sotto voce
DiaryINDEXpastwill


2007年08月18日(土) 無言の背中。

確かにあの時は
頭も心も身体も何かを欲していた
だから安易に満たす方法として
その誘いに乗った

快楽に溺れたのは一瞬
満たされたと思ったのはまやかしだった

お互い背を向け服を着る
余韻を味わうことも
言葉を交わすこともせず

明らかに異質なこのひとときが
私の心に消えない影を落とす

無言のまま出て行く背中を見送る
明日また会ってもきっと
何事もなかった態度でいられるのだろう

触れられた感触は消えていき
二人の体臭が交じり合った
汗だくの肌もすぐに乾く

何事もなかったかのように

まるで今日のことが幻だったかのように


安積 紗月 |MAILHomePage

My追加