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うさ子は現在無職で彼氏もいない。おまけ に実家に寄生虫。いよいよ貯金も底をつき、 30歳を目前に、持っていたものは殆ど失っ た。 「うさ子みたいなタイプが、誰よりも早く幸 せを掴むんだよ」 うさ子は、大昔に友人にいわれたその言 葉を、ついこの間まで、本気で信じていた のがイタイ。 「子うさぎに戻ってやり直したい」 それが最近のうさ子の口癖だ。周囲にネ ガティブアプローチをしている自分を自覚 しているのか、ひとり部屋に引き篭もる日 々。 せっかくなので、うさ子は「生きる意味」に ついて考えてみた。だが、考えれば考え るほど、ますます意味がわからない。 「せめてうさ吉にモテたらなぁ」 うさ子が鏡を覗くと、そこには幸薄そ~な 「うさぎ顔」が苦笑している。 うさ子はあまりにさみしくて、道路に面し た部屋の窓を開けてみたが、何分待って も、誰も歩いて来なかった。
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