nomiの思考

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1分間小説「図星」
2004年06月26日(土)

「これからちゃぷちゃぷしに行くけど、ど
う?」

「いいね、いくいく」

くるみが、遊び仲間であるヒロの意味不
明な誘いにひとつ返事で乗ったのは、
「ちゃぷちゃぷ」という言葉が、くるみの好
奇心を擽ったのと、何より一緒に遊ぶ仲
間達が大好きだから。

男女4人。江ノ島の海で「ちゃぷちゃぷ」
泳いではしゃいだ夜。日焼けをしたくるみ
の肌が、ヒリヒリと心地良い痛みを感じて
いる。

「もう、ほんと楽しかったー!忘れかけて
いた何かを取り戻したって感じ」くるみの
後に続いて、俺も!わたしも!と口々に
いう仲間達。同調しないのはヒロひとり。

「お前ら病んでるって、絶対。僕ちん、こ
れから彼女をハグしに行くんだもんね。
んじゃ」ヒロはそういってお尻をフリフリ去
っていった。

鼻の穴を大きく膨らませ、ヒロの背中にあ
りったけの罵声を浴びせた後、へこむ3人。

どうやら図星だったらしい。




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