◎ 失うこと。 ◎


「何でそんなに自分に自信が持てないの?」
友人に初めてそう質問されたのは、いつの事だっただろう。

初めて――一度目の時は、そんなこと考えた事も無かったから
ちゃんとした返答をすることが出来なかった。

でもその後、二度、三度と同じ質問を繰り返されるうちに
私は自分なりの答えを出して、そして言葉を返した。


「多分、小・中学生の頃に、同級生に根こそぎ取られちゃったからだよ」


それが、私の答え。
友人の問いの原因が、私の性格などの内因的なものでないとしたら
過去の苦い記憶が関係しているとしか考えられない。


いつの頃からか、自信を喪失してしまった私。
そして、そんな私は、近々もっと大きなものを失うことになっている。
そう遠くはない未来に。
不安定だけれど、確定している未来。
望まない未来を目指しながら、私は進まなければならない。

どれだけのものを失えば、私は楽になれるのだろう。
どれだけのものを奪えば、世間は満足するのだろう。

でも、その時に一番辛いのは、きっと私じゃない。
だから私は、その未来が来た時には、出来るだけ強気でいようと思う。
周りが安心して悲しみに暮れられるように。
周りを支える為に、一番強気でいられるように努力したい。

そして
周りの皆が、心行くまで悲しんで、再び前を向く事が出来たら。
そうしたら、次は私が座り込んで、盛大に悲しもうと思う。

…せめて。
せめて、大好きな人達くらいは支えられる人間でありたい。
そして、大好きな人達を悲しませないように、一人で泣ける人間になりたい。

後で壊れても良いから、一時的にでも強くなりたい。


   − 2005年07月15日(金) −

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