保健室のベッドの上。 膝を抱えて耳を塞いだ。
理由は無い。 訳が分からない。 でも、許されるのなら 叫びたい。 暴れたい。
「もう嫌だ」と、何が嫌なのかも分からないまま 泣き叫んでしまえれば楽になれるのだろうか。 手にしたもの全てを、誰にも気兼ねすることなく 壁に、床に、人に向けて投げつけられれば楽なのだろうか。
…こんな事書いたら、また心配かけるね。 ごめん。 ごめんね。 でも、大丈夫だから。 私はまだ、周りが見えるから。 君達に会ったら、迷わず笑えるから。 だから、泣かないで。
昨日から何故かケータイに、入院中に知り合った人から着信が入る。 昨日の電話は無視した。というより着信時には寝てた。 そしてそれを放置していたらメールが着た。 メールは返した。時差ったけど。 そしたらまた今日も、ケータイを放置していた時に電話が着てた。 相変わらず電話は掛け直さない。何を話せば良いのか分からないから。 多分相手が聞いて欲しい事があるのだろうけれど、 今の私には貴方の相手をしている程の余裕は無い。 …大体、何でこんなに懐かれたのかなぁ。 内心ウザいと思いながら接していたのに、入院中、患者どころか 看護師すらも、誰一人として私が自分から告げる前に、 その事に気付いてくれた人は居なかった。 高校に入ってから、愛想笑いを極め過ぎたのだろうか。 入院なんて、結局は集団生活だ。学校と大差無い。 人と接することに疲れたから入院したのに、患者との対人関係は 延々と付いて回る。やっぱり必死で社交辞令をこなさなきゃならない。 だから治らなかったのだろうか。 主治医にも看護師にも患者にも懐けなかったから。 心の休まる場所なんて無かったから、治らなかったのだろうか。 …だったらとんだ無駄遣いをさせてしまった。 親への罪悪感は、こうして日々山のように積み重なっていく。
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