◎ Dear dear...second ◎

伝えたいことがありました。
私から、貴方が消える前に。

貴方を知って、その温もりを知って、もう何回目の秋でしょうか。
木枯らしとすら戯れる無垢な貴方の姿にも、段々と慣れてきました。
寒がりなくせに、どうして貴方はそんなに四季が好きなのでしょう。
身体が丈夫な方ではないのだから、秋や冬は嫌えば良いのに。
頬を紅葉のように紅潮させて、拒むどころか喜び勇んで
貴方はいつもその懐へと飛び込んでいきますね。
そして私はいつも、苦笑しながら、貴方の背を追いかけます。

…前ばかり向いている貴方は知らないでしょうね。
貴方を追いかける時、私の胸が、時折酷く締め付けられていることを。

貴方の強さ程頼もしいものは他にはないと信じている筈なのに
冷気と共に駆けていく貴方は、とても儚く見えるのです。

幾度貴方と春を迎えても、季節が巡る度にこの切なさは蘇るのでしょう。
それはまるで、淡雪のような、触れることを躊躇ってしまう一瞬の夢。

春が来れば、雪と共に、貴方は消えてしまうのではないだろうか。
その熱の全てを、自然に還してしまうのではないだろうか。

だから私は追うのです。
その、私より大きな背を。
私より熱を帯びた掌を。
私より優しい笑顔を。

誰に馬鹿にされようとも、それだけは手放したくなくて。
今日も私は、貴方の後を追いかけます。

貴方は、私の、かけがえのない、一閃の光だから。
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ネタ第二弾。
恋愛気分を描写できるようになりたくてやってるけど…嫌気が差してきた(ぇ

   − 2005年11月11日(金) −

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