◎ ゆめをみた。 ◎

色々な、現存する、私が過去に行ったことのある場所の映像が見えた。
主なものは、恐らく小学生の頃に私が見たもので。
起きた時、懐かしさで切なくて、泣きたくなった。

一番鮮明に覚えている映像は、小学校のプール横の壊れた体育館。
昔、私が通っていた小学校の隣には中学校があって、
その中学校と近くの他の中学校が合併して、私が通った中学校になった。
私が小学生になった頃には、もうとっくにその体育館は使われてなくて
いつだって殺伐としていて、肝試しにでも使えそうな場所だった。

私の夢の中に、現存するものがそのままの姿で現れることは珍しい。
日頃見る夢の舞台は、大抵が現存するものに少し手を加えたような
見覚えがあるようで、本当は来たことなんて一度もない場所だから。
過去にあったトラウマを夢で繰り返すようなこともまず無い。
夢は完全にそれ個体で“夢の世界”として現実から隔離されていた。

何てことはない、つまらない夢。
でも、こういう夢のことを、本当の“良い夢”と言うのだと思う。
もう戻れない昔に戻れたかのような錯覚。
現実には絶対に実現しない、フィルターの向こうの記憶。
どんな夢よりも、つまらなくて、懐かしい夢。

   − 2005年12月24日(土) −

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