コトバアソビ。
無断引用お断り。

2002年10月05日(土) 少年→青年。


とにかく、とにかくダルかった。

オレにはオレ以外のナマモノが


『モンスター』


に、見える。

勿論、奴等の発する言語は解せない。

だって、オレ独り、『チキュウジン』なんだもの。


・・・そんな下らない事を考えながら、

煙を空へと吐き出した。

衣替えがあったばかりで、冬服ではちと暑い小春日和。

長袖のYシャツを第二ボタンまで開いて、

裾を学生ズボン

(オレの学校はダサくも制服が学ランだ)

から出して。

確か、マンガで読んだんだと思うが、

そこに出てくる男子学生が

銀のチェーンをズボンに付けてて。

何か、カッチョよかったので、オレもマネして見た。

まぁ、別に、大して意味は無いんだけどね。

耳に直接挟む形のイヤフォンで、オレはレゲエを聞いていた。

次に流行るのは、絶対レゲエ系だと思うんだよね。

今は何か、ジャズ系がアツいみたいだけどさ。


ガッコの屋上は、オレの秘密の場所だ。

ここはとてもいい風が吹く。

それにタバコの煙を乗せると、

終わりが無さそうな真蒼な空を、

俺の代わりに何処までも遠くへ流れて行った。

それがなんか、イっちゃいそうにキモチ良かった。


突然、右耳のイヤフォンがばちんっともぎ取られた。

痛かった。

痛む個所を優しく擦りながら、

座り込んでいた処から顔を上げたら。


『モンスター』がいた。


男か、女か、わかんなかった。

『チキュウジン』のオレには、

『ウチュウジン』の雌雄は判別出来ない。

「                 」

『モンスター』が何か言ってる。

わからない。

オレには、左耳からのレゲエしか聞えない。

いきなりイヤフォンを取られたコトにムカつきながら

それを取り返してもう一度耳にはめながら、オレは言った。


「アンタ、オレの世界が変えられんの??」


もう一度座り込んで、下を向いた。

顔を上げると、『モンスター』ばかり見えるから。

それに、大抵こう言うと『モンスター』はオレから離れた。

向こうの言う事はわかんないけど、

コッチからの言葉は通じるみたいだ。

深く吸い込んだタバコの煙が、

レゲエと一緒に心に染みた。


もう一度、ばちんっとイヤフォンが取られた。

やっぱし、痛かった。

ムカついた。

なんなんだ、コイツ。


「変えてやるよ。」


・・・は?


「オマエの世界、変えてやる。」


はっきりと、チキュウゴで

ううん、ニホンゴで聞えてきたその言葉。

レゲエも聞えなくなったし、

世界の所謂『喧騒』ってヤツも聞えなかった。

久々に、通じる言葉を聞いた気がした。

驚いたオレは、とりあえず言った。


「レ、レゲエってアンタ、イけるクチ??」




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