薄暗がりの中、私は横たわっていた。
変なオヤジの指が、身体中を這いまわっていた。
娼婦って、凄いと思う。
毎晩、毎晩、
身体一つで『自分の価値』を決めて歩ってる。
目に見えるモノが、安心だと、知っているから。
そう言う意味では、私は『ブランド品』だと思う。
若いし、制服着てるし、それなりに可愛い顔もしてる。
演技も出来る。
可愛い声一つで、簡単にオヤジは落ちてくれる。
「ねぇ、ココ、いいかい?」
いちいち聞くな、ウザってぇ。
「ウンvV キモチいいよvV」
馬鹿らしくなる。
でも、オヤジは目に見えるモノをくれる。
私の価値をそのままくれる。
それに、シラけた顔してても、
薄暗がりだし相手は気付かないからね。
可愛い声には自信がある。
私の価値を決める、大事な武器だ。
「ねぇ、キミって、『アイ』信じる?」
・・・は??
何言ってんだ、このオヤジ。
「『アイ』だよ、『アイ』。『愛情』の『アイ』」
・・・信じてない。
信じない。
それは、私の価値にならない。
目に見えないモノは、信じるには弱過ぎる。
「・・・信じて・・・ます。」
演技は得意だけど、嘘は上手くない。
自分を偽ったら、自分の価値が見えなくなる。
「そっか・・・。そう言う子もいるんだね、今時。」
オヤジの執拗な愛撫は構わず続いたけど、
私は。
其れが、其の行為が終るまでずっと、私は。
今日の私の価値は『二時間・二万五千円』、だった。
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