2004年06月26日(土) |
Waldbu"hne |
明日は、ベルリンフィルの今シーズン最後の演奏会である、野外演奏会がWaldbu"hne(直訳すると”森の舞台”)で行われる。 今年で私はこのシーズンをドイツで迎えるのが4回目(!!)になるわけで、つまりWaldbu"hneでの演奏会も、もう4度目。 今年は、いろいろと忙しくてピクニック気分で半日潰すわけにもいかないし、もう過去3度も観たので、今回は今日のリハーサルを見に行くことに。
この野外コンサート、本当に毎年人気で、チケットを手に入れるのはとても困難。 普段クラシックを聴かない人たちも、お祭り気分でやってくるのだ。手には、ワインとビールとピクニックのお弁当。ゆったりと野外でくつろぎながら、今シーズン最後のコンサートを盛り上げる。会場全体でウェーブしてみたり、花火をしたり、踊ったり歌ったり・・・。 日本でもテレビ放送されるし、本当に楽しい気持ちになれるイベント。
で、リハーサルは、団員さんの家族や、招待客だけが聴く事ができまして。(私は、友人がオケに乗っているので、招待していただきました。) 過去3回、山のように人がいる状態でしかこの舞台を見たことがなかったから、こういう内輪だけが集まっている、人の少ないWaldbu"hneは、とても新鮮。いつもは、会場が人で埋まっていて身動きもできないくらいの雰囲気なのですが。 場所取り合戦をしていた去年までがウソのよう・・。ゆったりと、好きなところに座って、テレビのインタビューを受けているラトルを遠目から見たり、団員さんたちの家族団欒を眺めたりしながら、リハが始まるのを待つ、優雅な私。 人が少ないから、子供達も走りたい放題。演奏が始まっても、いろんなところから子供のはしゃぐ声や泣き声や雄叫び(笑)が聴こえてきて・・・。最初は微笑ましく思っていたものの、やっぱり「音楽聴きなさい」と説教したくなってしまった。 子供にとっては、前半の、若きピアニスト、ラン・ランの弾く直情的なチャイコフスキーは魅力がなかったようで。私は、楽しく聴きましたが。 とにかく、若い!曲に入り込みすぎじゃ・・、と思ってしまう体の動きが笑えたけど、しっかり弾いていて好感を持った。 しかし、マイクで拾って音を出すと、粗が目立って怖いねぇ。ピアノだけじゃなく、オケの方も・・。
後半の「くるみ割り人形」の2幕では、いつのまにか子供達が主役に・・。 ある女の子が、一人、舞台のすぐ前で音楽にあわせて踊りだして、あまりにも可愛いもんだから、他の子供達も(親に勧められたのか)恐る恐る前のほうに出てきて、あっという間に舞台の前の芝生は、子供達のダンスパーティー会場状態。 同じような歳の子供でも、音楽にあわせて生き生きと踊りだす子と、踊りたくてもどうしていいのかわからずに固まってしまっている子、そして、テレビカメラの前にどうしても行きたがる子、親に無理やり前のほうへ引っ張ってこられて嫌だ嫌だと引き返す子、そういう個性を見ているだけでも、「ああ、子供社会も大変だなあ」なんて思ってしまった。 そして、面白かったのは、子供達に「花のワルツ」のようなゆったりした3拍子は踊れない、ということを発見した事。 それまではクルクルはしゃいで踊っていたのに、「花のワルツ」ではどう踊っていいのかわからない様子。 なんだ、西洋人にだって、3拍子は難しいんじゃん。なんだ。
オケは、けっこう弾けてなかったりバラバラだったりしていて(気が抜けてるんでしょうね、お祭りだし)オイオイとおもったけど、ま、明日の本番ではきっと良くなるのでしょう。
森の中なので、寒い寒い。 リハ終了後、キンキンに冷えた空に光る月の美しかった事・・。
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