山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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今回はたまたまNIKKEIプラス1でランキングが紹介されていた世界史の本の中から、私が持っていた「朝鮮史」にちなんで紹介した「韓国葛藤の先進国」です。(長くなったので後半は割愛させてもらいました。)
「なぜこの国はいつも不満なのか」というサブタイトルをオビに書き込み、財閥企業独り勝ち、脆弱なウォン経済、拡大する格差、世代間の確執〜。課題先進国韓国の本音に迫る。
筆者は五つの章立てをして分析している。 第一章 天国と地獄 救われない超競争社会 第二章 脆弱と野望 輸出立国の明暗 第三章 過去と未来 日韓関係波高し 第四章 本音と建前 北朝鮮問題の行方 第五章 権力と蹉跌 大統領の宿命 の五つだ。さすがに日経の記者だけあって経済問題には鋭い考察を入れている。
まず第一章で語られているのは財閥企業の独り勝ち状態のこと。韓国にはSKY(スカイ)という、ソウル、高麗(コリョ)、延世(ヨンセ)の有名大学御三家の頭文字をとった言葉があるそうだ。トップ企業10社の幹部はこのSKY出身者が6割を占めるという。勢い有名大学への門が狭くなり激しい競争となる。しかし現実にはサムスンなど財閥企業独り勝ち状態で ¶中小企業(製造業)の社員の年収は大企業のおよそ半分 ¶非正規職の76%が勤続年数3年未満 ¶非正規職の国民年金加入率は約41%で正規職の半分 など、各種統計が示す格差は歴然としている。財閥が潤うかわりに、それ以外の国民が就職や子育て、老後に著しい不安を抱えているという構図だ。
第二章では「韓国型成長モデル」の限界についての話だ。輸出立国を支えるいわば「国策」とも言える訳だが「ウォン安を志向し、安い電力料金や低い法人税率、自由貿易協定(FTA)ネットワークを使って財閥を中心とする大企業が輸出で稼ぐやり方だ。しかしもうけているのは財閥だけで、最近では財閥の隆盛がかつてほど国内を潤さなくなっているそうだ。しかも産業構造は中小企業が企業数で99%を占め、雇用の88%を担っているという。この不均衡を是正できるのか。
そして第三章で日韓関係を語っている。竹島や従軍慰安婦問題はいまさら言うまでもないだろう。今回の問題は李明博大統領が突然竹島に上陸し、前代未聞のパフォーマンスを演じたところから始まる。韓国の司法制度には最高裁の上に憲法裁判所というのがあるそうだ。これが韓国政府が日本政府に対して補償を求めないのは不作為にあたるという決定をしたため、韓国政府は何らかの動きをしなければならなくなった。そのことがイ・ミョンバクを焦らせたらしい。 それでもお互いに日韓関係を悪化させた原因ははっきりしているのだという。 第1に、かつては機能した日韓の政治のパイプが目詰まりを起こしている。 第2に、グローバル化の進展で日韓双方がお互いの重要性を認識しにくくなっている。 第3に、韓国内で進んだ民主化が日本との「歴史の清算」を求める空気を醸成している。 の3点に集約されるそうだ。
それでは彼らは我が国にいったいどうして欲しいと言っているのか。歴史問題を法的に謝罪しろということらしい。自分たちの国内問題(憲法裁判所の決定)が変わってきたので今度はそれを我が国に要求しているわけだ。しかしこの件では日本は当初から法的に解決済みの姿勢を崩していない。 我が国も首相が代わるたびに何度も何度も謝罪してきているが、彼らに言わせると首相が代わるたびに発言が違うというのだ。当たり前な気もするが、韓国側も大統領が交代するたびに歴史問題を持ち出し、日本に謝罪要求のパフォーマンスをするのが恒例になっている。関係改善しようとする気持ちはあるのだろうか。もしかしたら常に日本より上の立場に立ちたいという欲望があるのではないか。
多数の死者を出して韓国が民主化した光州事件からは僅か26年しか経っていない。これまで我が国は韓国に対しては「大人の対応」をしてきたと思うが、ここはグッとこらえて、今一度大人の対応をして、一気に清算してしまうというのはどうだろうか。このままではいつまで経っても次々に新しい問題を歴史問題だと言って、振りかざしたコブシを降ろしてくれそうにもないと私は感じた。
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