アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2002年05月23日(木) 意識が螺旋を描いて下方に向かっていく。

またしても。
ここのところ体調が悪い。
歩いているとフラフラする。
いつ倒れるか、いつ階段から転げ落ちるか、けれどもう「どうにでもなれ」とも思う。

デスクで作業していてもクラクラしているのがわかる。
あまり続くと吐き気がしてくる。
目から入った文字は記憶されず、眼球はただ活字を追う機械と化す。

よっこらしょ、と肘で支える。

コーヒーを淹れにポットのところまで行き、カップにお湯を注いでデスクに戻る時、
「ああ、これは近いうちにカップを取り落とすな」、と思う。

陽気のせいだろうか。
それともここのところ、らぶり〜達と遊んでいないせいだろうか。
欲求不満がたまっているのか。
体の中で渦巻いて挙句、体までもが渦に取り込まれてしまっているのか。

ふぅーる・・・ふぅーる・・・、と気が遠くなるたびに脳の裏のほうで
風のまくような軽いけれど重たい何かが唸る。

なんだ。脳腫瘍にでもなってみるか。
と思う。
更に、いや、白血病の方が悲劇のナンチャラっぽくていいかも、などと不謹慎なことも考える。

罰当たりめ。
こういうヤツに限って長生きする。

コーヒーを啜りながらガラにもなく「保険でも入ってみるか」などと。 ちらり。


会社の帰りに病院に寄る。
ソフトボールを握りつぶすリハビリ。
指先の感覚はまだない。
アタシの右手の人差し指は少し捻れて物を掴む。
隙間から間違いなく何かが零れ落ちている。

拾おうとは思わない。


帰宅したらすでに11時になっていた。

意識が螺旋を描いて下方に向かっていく。

それは果たして昼間の眩暈の延長なのか。
それは果たして眠りの淵への助走なのか。


アタシを眠らせる彼女たち。
アタシを眠らせることができる彼女たち。
アタシを待ち受ける彼らたち。
アタシを夢の中でだけ待ち受けることができる彼らたち。


アタシの男たちは夢の中でだけしか生きられないのだろうか。





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麗香@夏野空 [MAIL] [MILK PITCHER]
 
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