5月30日(金)朝
朝起きて出勤しようとしたら既に立ち上がれなかった。 意識も朦朧としている。 会社に電話して、とりあえず今日は休む旨連絡をしたと自覚しているのだが、 どうやら「今日はムリです」の後はうわ言の繰り返しだったらしい。
「明日・・・明日行ってやります・・・会社・・・開いてませんかね・・・」
上司とは殆ど会話になっていなかったらしいので、察してくれたらしい。
振り返ってみると、2週間ほど殆ど飲まず食わず、たまに食べれば嘔吐し、 時には眠れずの生活をしていた。 倒れて当たり前だった。
その日、目が覚めたら夕刻であった。 いつものようにいつもの如く、お気楽なオイラは「疲れが溜まってたんだなぁ」 ぐらいの感じでしかいなかった。
食べたくなかったので食べずに寝た。
5月31日(土)昼
目覚めたら夫は既に出かけた後であった。 何でも大阪のイベントに呼ばれているとのこと。 再び眠る。
夕刻目が覚めた。 衣替えもしたいし、部屋の掃除もしたい。 やらなければいけないことは山ほどあるのに足は「ぴくり」とも動かない。
この日、トイレに立つにも支えがないと立ち上がれないことに気づく。 一体どうしたことかと思いながらも、ずるずると部屋の中を動き回るのみ。
とりあえずペットボトルのお茶で薬を流し込んで眠る。
6月1日(日)昼
休みの日には珍しく昼前に起きる。 「起きる」と言っても起き出して来たのではなく、目が覚めただけのこと。 相変わらず体中に力が入らないので、おそらく。
夜、大阪から帰宅した夫のお土産を食べた。 夫にねだって買ってきてもらった駅弁。 半分も食べられずに捨ててしまった。
6月2日(月)朝
思いのほか体調悪く、見かねた夫が会社の上司宛にメールをしてくれる。 一瞬の意識あったものの、そのまま夕刻まで眠り続けた。
目覚めて、改めて上司に電話する。 もうムリだから長期休暇をとりなさい、とのこと。
食べられない、食べるそばから嘔吐する。 焦って水分を摂取する。
壁によりかかって床に座る。 と、まっすぐ目の前に伸びる足。 初めて気が付いた。 肉の削げ落ちた足。
気が付かなかった。
慌てて腕を見る。 まさに「折れてしまいそうな腕」。
何も。 何も気が付かなかった。
まともに立てるわけがない。 まともに歩けるわけがない。 アタシの足。
薄くなった肩はどうりで何も支えられなくなっていたはずだ。
回りの人間は見るのさえ怖くて言い出すこともできずにいたらしい。
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