また難儀なことになっている私です。
実は、
パソコンに吸い込まれてしまったのです。

どうしてそうなったのかは想像にお任せ…するまでもないか、
要するにまちがってＣＤ取り出し口にひっかかって、
そのまま中に入っちゃったという。

ああ、ついてない。

しかもそのとき丁度ワードなんか開いてたから、
私のやることなすこと文章になってしまう。
あ、ほら今も。

「『あ、ほら今も。』
　そう呟いた男は、やれやれと首を振って座った。
　どうして俺はこうもついてないのだ。
　大体どうしてパソコンに入るというバカなことになったのか。
　そこで大きなため息をつくと、もう一度日記に向かった。」

ね。どう思います？

「思いあまって、彼は読者に問いかけたが、無論返事は聞こえない。
　むなしくなった彼は、さしあたって昼寝することにした。
　『日記、途中だったけど…
　　パソコン勝手に文章作ってるし、それ流しとけばいいや。』
　ややもして、男は眠った。
　イビキまでかきだした。
　寝言まで言い始めた。
　ねぞうが悪いので隅まで転がってメインボードに頭をぶつけた。
　何するんだと寝言を言って、メインボードに戦いを挑んだ。
　負けた。
　メインボードはレベルがあがった。
　男はまだ眠っている。
　また転がった。マイドキュメントに入った。
　ファイル名は『 bakade.aho 』。
　隠しファイルになっているが、見つかって開かれたらどうする気なのか。
　身の危険にさらされているとも知らず、この男はまだ眠っている。
　転がって、マイドキュメントの『イド』に落っこち、
　デスクトップに出た。
　妙な壁紙である。
　女子高生の生中継！と違って、男子大生の生中継！はいまいち見苦しい。
　さすがに寝心地がわるいのか、彼はむにゃむにゃ言うと、
　大きくひっくり返ってごみ箱に入った。
　まあ彼には妥当なところだろう。

　第一章、完。」

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