2002年03月21日(木) |
政府による株価操作はいいかげん止めたらどうか |
日経4面に、金融庁が、空売り規制を定めた証券取引法に違反するとし、5証券会社に業務改善命令を出したことが載っていた。
空売りする証券会社は証券取引所に対し、空売りであることを明示する義務があるが、その明示義務に違反したのだそうである。
しかし、違反の内容は、保有する現物株数の確認を怠ったため、あるいは、証券金融会社へ借り株の申し込みを忘れたために、空売りをするつもりがなかったのに空売りとなってしまい、結果として明示義務違反を犯してしまったのだそうである。
すなわち、うっかりミスである。
それでも業務改善命令を出したのは、金融庁は空売りに対し厳しい姿勢で臨んでいる姿勢を示したかったのだろう。
同じ紙面で、柳沢金融担当相が、大統領経済諮問委員会(CEA)のハバード委員長が日本政府の空売り規制強化を批判したことに反論したことが載っていた。
政府は、よほど空売り規制をしたいのだろう。
ところで、日経15面コラム「大磯・小磯」に、金融当局が空売り規制に当たり議員に説明した資料のことが載っていた。
その説明資料には次のようなことが書いてあったそうである。
「外資は東京から撤退して食い逃げに走る可能性が大」
「外資が空売りするのは、年俸一億円の専門家を100人から150人抱えており、新しい不良債権の材料がないと、人員を支えきれないから。」
要するに、株価下落の諸悪の根元は外資にあり、これを空売り規制によって叩けば、株価は上昇するという発想である。
しかし、そこには、なぜ空売りが悪いのかが説明されていない。
悪いのは株価操作であって(これは法律ではっきり禁止されている)、空売りではないであろう。
政府は、いいかげん、このような姑息な手段による株価操作は止めたらどうか。
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