2002年03月23日(土) |
借用書に署名してなくても、裁判で負ける? |
おとといの日経だが、気になっていた記事があるので、そのことについて・・。
3月21日の日経社会面に、偽造借用証書を使って貸金請求訴訟を起こした事件のことが載っていた。
その記事によれば、容疑者は、これまで2000件以上の訴訟を起こしたそうである。
この記事を読んで、偽造の借用証書なのに、なぜ裁判で勝つことができるのだろうか、訴えられた方が「借りていない。借用証書の字は、私の字と違う。」と言えば、それで済むはずと思うかも知れない。
しかし、現実は、まったく借りた覚えがないのに、偽造した借用証書を証拠で出されて、その証拠を重視して、裁判所が、偽造した側の訴えを認め、支払いを命じたケースがあるのである(もちろん、請求を認めなかった裁判所もある。)。
中には、和解の席で、裁判官が、「契約書があるのだから」と言って、強引に和解に応じることを説得したケースもあるようである。
こわい話である。 借りてもない、借用書に署名捺印してもない、お金を借りてもないのに、裁判で負けるのだから。
この原因は、一部の裁判官が、契約書等の書面を重視するあまり、物の見方が硬直的になっているためである。
借用証書があるのに、訴えた債権者の訴えを認めないのは勇気がいる。 しかし、訴えた債権者を勝たすのには勇気はいらない。
そのため、今後も、このような硬直的な見方をする裁判官が増えてくるような気がする。
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