2002年04月05日(金) |
大阪の弁護団が、「ぼったくり入学金110番」を開設 |
昨日の日経夕刊・17面に、大阪で、大学の前納入学金の返還を求める弁護団を結成したということが報道されていた。
おもしろいことを考えるなあと思った。
多くの私立大学では、合格すれば入学金などの前納を求められ、他の大学に入学しても返還されない。
前納金は平均すると、80万円から90万円になるそうであり、これが、私立大学での重要な資金源になっている。
入学しないのだから、大学にとっては、その後の経費は発生しない。まるっきりの収入となる。
それゆえ、ぼったくりと言われても仕方ないだろう(大阪弁護団では、「ぼったくり入学金・授業料110番」と名前をつけて、電話相談を始めたそうである。)。
もちろん、入学金を支払う際には、「いかなる理由があっても一切返還しない」という断りが必ず入っている。 したがって、本来であれば、返還を求めることはできないはずである。
そこに、消費者契約法の適用を考えたことがおもしろいと思う。
消費者契約法では、事業者に生じる平均的な損害額を超える部分は無効とされている。 そして、入学を辞退したからといって損害はほとんど生じないだろうから、ほぼ全額の返還を求めることができるという理屈である。
もっとも、大学と学生の間に消費者契約法を適用するというのは違和感はある。 また、「入学金等を一切返還しない」という断りが、損害賠償の額を予定したものといえるかといった、法律上の問題もある。
しかし、100万円近いお金が、入学しないのにまったく返還されないのはおかしいというのは素朴な疑問である。 その素朴な疑問を、法律上の主張に高めた点が素晴らしいと思う。
大阪の弁護士というのは、東京の弁護士に比べて、生き生きとした創造的活動をしているように思う。
|