2002年04月06日(土) |
大会社では、内部統制システムの構築義務がある? |
昨日の日経夕刊1面トップは、神戸製鋼利益供与事件の株主代表訴訟の記事であった。
そこで、注目すべきは、和解の際に示された裁判所の所見で、神戸製鋼のような大会社の場合、内部統制システムを構築すべき法律上の義務があると明言したことである。
私は、「内部統制システムを構築すべき義務」というのは、初めて聞いた。
おそらく、大企業の代表取締役の場合、従業員の個々の行為までは知りようがないから、一般的な監督義務によっては、代表取締役の責任を問うことが難しいと判断したのだろう。
そのため、内部統制システムを構築すべき義務というものを認め、その義務違反を問うことにしたのだと思う。
ただ、私としては、「内部統制システムを構築すべき義務」という言葉には、どうも違和感がある。 法律には、そのような義務は明記されていないからである。
利益供与のような違法行為はしばしば行われていることから、代表取締役であっても、そのような利益供与が行われないよう注意する義務はあるであろう。
それゆえ、私は、一般的な監督義務を理由にしても、代表取締役の責任を問えたのではないかと思うのだが・・。
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