今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年04月07日(日) 銀行の企業融資 信用力に応じて金利に差を付ける

 日経・一面トップは、銀行の企業融資において、企業の信用力で金利に差を付ける、新しい貸出制度を導入するという記事であった。

 企業の信用力によって、貸し出し金利を変えるというのは、当たり前の話であり、今後はそのような流れが強まるだろう。


 ところで、零細企業では、商工ローン(商工ファンドや、日栄など)に手を出しているところも多いが、その金利は20パーセント以上である。

 それにも関わらず企業が借りるのは、銀行が貸さないからである。


 もちろん、商工ローンに手を出し、すぐに破産する会社は多い。
 しかし、何年も高い金利を払い続けているところも結構ある。

 したがって、銀行が信用リスクを考慮して、それなりの金利を取って貸し出せば、銀行にとってもビジネスチャンスなはずである。


 ただ、商工ローンで借りるような会社は、信用力という意味では極めて問題があるから、銀行としても、10パーセント以上の金利を取らないとペイしないであろう。

 しかし、10パーセントもの金利を取るとなると、預金金利がほとんどゼロだから、世間からは暴利だという批判が起きるだろう。


 かくして、融資を受ける側は、商工ローンでもいいから借りたいというニーズがあり、融資する側としても、金利を10パーセント以上に設定すれば、信用リスクを考えても充分やっていけると思われるのに、その部分に、銀行の金が流れない状態が続くわけである。


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