今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年05月10日(金) 法令違反した証券外務員の氏名を公表

 日経(H14.5.10付)・7面に、証券取引法などの法令に違反した証券外務員の氏名などを公表し、ホームページで投資家が閲覧できるようにするとことが報道されていた。


 このような措置は、情報開示の一環として大賛成である。


 ただ、その記事の中に、氏名の公表はプライバシーを侵すことになるという指摘もあるということが書かれていたが、私は、プライバシー侵害にはならないと考える。


 そもそも、プライバシーがあらゆる場面で保護されるわけではない。

 例えば、犯罪を犯したものが実名で報道されても、問題にはならないが、それは報道の自由の利益が優越し、その限度でプライバシーが保護されないからである(実名報道の当否という問題はあるが)。


 この場合も、証券外務員は、一定の資格を有する者であり、証券取引に関する法令を遵守する高度な義務があるのだから、それに違反すれば、処分を受け、氏名を公表されてもやむを得ないといえよう。

 したがって、プライバシーの保護を理由に、氏名の公表を拒むのはおかしいと思う。


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