2002年05月21日(火) |
送金傷害による損害賠償請求が認められるか |
日経(H14.5.21付)・7面に、みずほコーポレート銀行兜町支店などで送金障害が生じたと報じられていた。
この影響で、ネット証券で、入金が確認できない状況が2時くらいまで続き、その間、投資家の注文を受け付けられなくなったそうである。
このような事案で、投資家が、「入金にならなかったために、株を買うことができず、損をした。」として、銀行に損害賠償請求をしたら、認められるだろうか。
そのような請求が認められるためには、買おうと思っていた株が、入金できなかった数時間のうちに、急騰しなければならない。
しかし、昨日の株取引を調べても、おそらく数時間のうちに急騰した株などないだろう。
万が一、例えば仕手株などで急騰した株があったとしても、正常に入金されていれば、その人はその株を買っていたという蓋然性がないといけない。
そうすると、賠償請求している人の、過去の取引歴も問題になる。
例えば、その人が、それまで優良値がさ株しか取り引きしていないとすると、仕手株を買った蓋然性は低いことになる。
このように考えると、入金されなかったために、株を買うことができず損をしたといっても、そのような請求は認められないというのが結論になる。
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