2002年10月16日(水) |
NCG、株価の半額でTOBの対象に-適正な株価とは− |
日経(H14.10.16付)・15面に、「NCG、株価の半額でTOBの対象に」というコラムが掲載されていた。
日本コンピューターグラフィック(NCG)を、昭文社が公開買付(TOB)で買収することになったが、その取得価格は、一株4万5000円で、発表直前の株価の45%にすぎなかった。
そのため、これに引きずられる形で株価は3割下落し、既存株主から批判が相次いでいるそうである。
既存株主にとっては、腹立たしいことだと思う。
しかし、株価を下回る公開買付をしても、それに既存株主が売却に応じなければいいだけである。 その意味で、株価を下回る公開買い付けをしたとしても、法律上は問題がない。
そうはいっても、この会社の株価は、今年の1月には30万円を超えていたのだから、ひどい話である。
昭文社は、一株4万5000円という買付価格は、第三者の経営指導会社に算出してもらったといっているようである。
しかし、それは一定の計算方法に基づいて算出したというだけで、それゆえ恣意的な数字ではないというだけである。
それが適正な株価かといえば、そうではない。
8か月前に30万円を超えていたが、それが不適正であったとはいえないであろう。
要するに、「適正な株価」というのはなく、「株価は人気投票」ということなのである。
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