今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年11月05日(火) ネット株取引で、注文取次が5分以上遅れたら、差額を返還

 昨日の日経(H14.11.4付)・11面に、カブトドットコム証券が、株のネット売買の注文取り次ぎが5分以上遅れたら、差額を返還するという制度を導入すると報じていた。

 これは画期的サービスだと思う。


 ネット取引における大きな問題は、システムの安全性である。

 しかも、システム障害によって生じた損害の責任を誰が負うのかも明確でない。


 その意味では、5分以上遅れたら差額を返還するという形で責任を明確化したことはいいことだと思う。


 ただ、システム障害によって、注文自体ができなかった場合については、この制度の対象外であり、依然として問題は残る。


 多くの証券会社は、コールセンターの開設によって対応しているようである。

 それでも、投資家の立場からすれば、発注は遅れることになる。

 すなわち、システム障害によって、ネットで発注ができないため、コールセンターで発注することによって、取引が遅れることになるから、それによって損害が生じることはあり得る。

 ただ、ネットでいつ発注したかの証拠がないことが多いだろうから、投資家が泣き寝入りする可能性は高いだろう。

 したがって、投資家としては、手数料が安い証券会社と、システムの安全性が高い証券会社との両方に口座を持つなどして、リスクを分散しておく必要があるだろう。
 


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