今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年11月07日(木) 弁護士がまたまた逮捕

 日経ではなく、朝日夕刊(H14.11.7付)社会面に、信楽鉄道事故の弁護団長が示談金を着服して逮捕されたと報じていた。


 その記事をよく読むと、信楽鉄道事故の事件と、横領とはまったく関係なかった。

 信楽鉄道事故の弁護団長をするぐらいの消費者運動の先頭に立っていた弁護士が逮捕されたということをいいたかったようである。


 横領しても発覚しないと思ったわけではないだろう。

 しかし、暴力団に攻めたてられ、どうにもならなくって横領したのではないだろうか。



 この弁護士は10億円以上の負債があったそうである。


 しかし、弁護士の仕事はそれほど経費のかからない。


 私の事務所は、弁護士1人、事務員3人だから、事務所のスペースは小さい。

 そうすると、賃料は光熱費を入れても、月60万円程度である。

 事務員の人件費も、初任給で月20万円だから、3人分でも知れている。

 あとは、事件費、書籍費、交通費、通信費、交際費などである。

(もっとも、弁護士を雇用すると、人件費はとたんに多くなってくるが)


 
 だから、弁護士業を普通にやっていて10億円もの借金をつくることはあり得ないのである。

 新聞では、仕手株に手を出したと報じていたが、その背景には、別の事情もあったのではないだろうか。




 ところで、宮崎学(キツネ目の男で有名になった)の「地下経済」という本に、「職業の中で、1番卑しいのが政治家、その次が官僚と警察、3、4がなくて、5が弁護士」と書いていた。


 それほどまでに、弁護士という職業はイメージがよくないのだろう。

 反省しなければならないと思う。


 それにしても、冒頭の事件で、弁護士が横領したのは1997年、破産して弁護士の資格を失ったのは1998年、それから4年後に逮捕されている。


 いまさらという感じである。

 もう少し早い事件処理はできなかったのだろうか。


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