今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年11月08日(金) 地下銀行が摘発された

日経(H14.11.8付)・社会面に、地下銀行を摘発したという記事が載っていた。


 記事には総額100億円を送金したと書いているから、すごい組織だなあと思うかも知れない。


 しかし、実態はたいしたことない。


 地下銀行は、依頼者から、送金するお金と若干の手数料を受け取る。

 そして、受け取り先(中国やタイ)の人は、送金先の国(中国やタイ)にいる地下銀行の仲間から、送金相当分を受け取る。

 そうすると、送金先の国の地下銀行の資金がなくなってくるから、ある程度、日本で預かったお金が貯まると、まとめて銀行を通じて正規に送金する。


 要するに、わずかな送金手数料を稼いでいるだけである。



 しかし、外国人は、こういった地下銀行をかなり利用している。

 銀行よりも使い勝手がいいからである。

 つまり、そこにニーズがあるということである。


 銀行はそういったビジネスチャンスを放置しているといわざるを得ない。


 もちろん、法律上の規制もあるし、送金する人は不法滞在者が多いという事情もある。


 しかし、もっと外国への送金の使い勝手をよくしようと努力している形跡はみられない。



 今日の日経1面に、銀行が人員・店舗を1、2割減するリストラを前倒しでやると報じていた。

 まだそんな程度のリストラである。

 これまで何をしていたのだろうかと思う。


 顧客満足度において、地下銀行に負けないサービスをしようと考えないのだろうか。

 銀行は、ビジネスに対するどん欲さに欠けているように思う。


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