2003年02月03日(月) |
事件の見通しを語るのは難しい |
日経ではないのだが、サンデー毎日の今週号に、「ヤミ金被害者の債務処理をめぐる弁護士の悪行」という記事が載っていた。
記事では、三つのケースについて書いてあった。
1 金だけとって、事件処理を何もしなかった弁護士
2 非弁提携弁護士にひっかかった例
3 宮崎市内のほとんどの弁護士に断られた例
1と2のケースは論外であり、非難されて当然である。
3のケースについても、ヤミ金の債務整理は弁護士にとってやっかいであり、儲かる仕事ではないが(持ち出しになることが多い)、依頼したすべての弁護士が断るというのは異常であろう。
ところで、その記事の中で、良い弁護士を見極めるポイントを三つ挙げていた。
1 事件の見通しを明確に語れるかどうか
2 予算を明示してくれるかどうか
3 いくつかの方針を立て、それぞれメリット・デメリットを説明してくれるか どうか。
まさに、そのとおりである。
私も、そのような説明をするようにしている。
しかし、事件の見通しを語るのは難しい。
相談者の説明は、自分に有利な説明になりがちであり、証拠の評価についても客観的でないことが多い。
「こっちが勝つ証拠はあるんです。」と言うので、その証拠を見ると、あんまりたいした証拠でないことがよくある。
また、相手がどのような証拠を持っているかも分からない。
後になって、相談者の話をすべてひっくり返すほどの証拠が相手方から出てくるときもある。
したがって、まともな先生ほど、「そんなことはやってみないと分からない。」と言いがちである。
事件の見通しが万が一間違ったらトラブルになることは間違いないだろう。
しかし、私は、できるだけ事件の見通しは語るように努力しており、幸いにして、事件の見通しを間違ったことはない。
「やってみないと分からない。」というのでは、相談者はどうしていいか分からないと思うからである。
|