2003年04月14日(月) |
やみ金が増えた理由は? |
昨日の日経(H15.4.13付)「エコノ探偵団」というコラム「やみ金被害なぜ増えた」という記事が掲載されていた。
その記事では、やみ金被害が増えたのは、貸出金利の上限を40.004%から29.2%に下げたからであるとしていた。
つまり、融資申込者に対し、それまでは40%の金利を取れるから貸していたが、29.2%という金利では信用リスクからいって融資を断わざるを得ず、断られた人がやみ金に流れたというのである。
しかし、貸出金利を下げたために融資を断るケースが増えたという事実認識は間違いである。
貸金業者は、融資申込者の借入額、借り入れ件数を調べて融資するかどうか決めるが、基本的には貸す方向で検討する。
貸さなければ商売にならないからである。
そして、従来は借り入れ件数10件(10件というのは単なる例であるが)まで融資していたが、29.2%しか金利を取れなくなったので、それを8件までに引き下げ、融資基準を厳しくしたという話は聞かない。
記事では、融資の成約率が下がっていると書いていたが、その理由は、先の例でいえば、長引く不況と、それにもかかわらず生活水準を下げようとしない人の増加のため、10件以上借り入れている人の融資申込みが増えているためである。
やみ金が増えたのは、
破産者や多重債務者の名簿が出回るようになったこと
携帯電話の連絡のみによって貸す手法が現れたこと
融資額が10万円という、借りる側にとって何とか返せそうな金額に設定していること
無理やり口座に振り込み、後から「返せ」という「押し貸し」という手法が現れたこと
などが理由だろう。
それゆえ、上限金利を40%に戻しても、やみ金は無くならないのである。
預金利息がほとんどつかない時代に、貸出金利を40%に戻せといわんばかりの日経の論調は理解しがたい。
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