2003年07月11日(金) |
衆議院の解散権について |
日経(H15.7.11)2面で、綿貫衆議院議長が、山崎幹事長に対し、「7条解散は憲法上問題があるという見解をよく研究してもらいたい」と指摘したと報じていた。
解散権の所在については憲法に明文規定がないため、内閣に解散権があるかどうかについて争いがある。
綿貫衆議院議長が憲法上問題があるといった7条解散とは、憲法7条が「内閣の助言と承認により、天皇が衆議院を解散する」と規定していることから、実質的解散権は内閣にあると解釈する説である。
確かに、条文を素直に読むと、この規定から内閣に解散権があるとまで読み込むのはやや苦しい。
しかし、総選挙後に政党が離合集散し、衆議院が民意を反映しているかが疑問になった場合や、国政の重大な問題が生起し、民意を問うことが望ましい場合に内閣の解散権を認める必要性は高いことから、内閣に解散権を認める必要性は高い。
それゆえ、7条を根拠に内閣の解散権を認めるのが通説である。
7条解散説には批判はあるが、憲法上問題があるとまでいう学者は、今日ではいないのではないだろうか。
実際、多くの解散が7条解散によってなされている。
したがって、衆議院議長とはいえ、いまさら7条解散が憲法上問題があるといっても、ほとんど相手にされないだろう。
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