2003年12月05日(金) |
法律事件を安易に「代理人」に頼まないほうがいい |
日経(H15.12.5付)スポーツ面で、プロ野球選手会は、代理人としてアメリカ大リーグのエージェントも認める方針と報じていた。
この記事を読んでいて、エージェントを代理人とすることは、弁護士法に違反しないのだろうかと気になった。 弁護士法72条は、弁護士以外の者が報酬を得る目的で代理人となることを禁じているからである。
そこで条文を調べてみると、弁護士72条は、弁護士以外の者が「法律事件に関して」報酬を得る目的で代理等をすることができないと定めていた。
プロ野球選手の年俸交渉は「法律事件」ではから、弁護士でなくても代理人として交渉することは可能なようである。
ただ、世間には、弁護士でないのに代理人交渉をする人は多い(その典型例は、ヤクザであるが)。
しかし、事件が複雑になり手に負えなくなってくると手を引いてしまい、依頼者が困って弁護士に相談に来ることがよくある。
また、先日相談を受けた件では、保険金に詳しいと称して、交通事故の被害者の代理人として加害者に治療費等の請求交渉をしていたところ(無保険車であったため、加害者との直接交渉になったようである)、加害者からお金を受け取っていたのに、それを報告せず、ちょろまかしていたことが発覚した例があった。
法律問題の交渉については、弁護士に任した方が結局は安くなると思う。
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