2004年03月11日(木) |
仮退院を公表したことは、やむを得ない措置と思う |
日経(H16.3.11付)社会面で、神戸の連続児童殺傷事件の加害者の少年(すでに21歳であり、新聞では「男性」になっていたが)が仮退院し、法務省は、少年が仮退院したことを公表したと報じていた。
少年事件で、仮退院したことを公表することは極めて異例である。
公表したことで、マスコミは大騒ぎしている。
少年の更生だけ考えれば、ひっそりと仮退院させることが望ましいだろう。
仮退院を公表することによるメリットは少年にはない。
しかし、被害者の遺族の立場としては、被害者側の気持ちを置き去りにして、少年の更生だけを考えて処遇することは堪らないことだと思う。
もっとも、そうであれば、被害者側にだけ仮退院を通知すればよかったかもという意見もあり得る。
しかし、被害者だけに知らせるということは事実上不可能である。
そうであれば、密室でこそこそやっているという印象を与えるよりも、公表して、なぜ仮退院を認めたかを世間にきちんと説明したほうがいい。
その意味で、少年の更生のうえではマイナスではあるにしても、仮退院を公表することはやむを得なかったのではないかと思う。
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