2004年04月14日(水) |
弁護士は「こうもり」である |
日経(H16.4.14付)2面社説に、「労働審判を骨太に育てよう」という見出しで、2年後に施行予定の労働審判について書いていた。
労働審判とは、雇用主と従業員の労働紛争を迅速に解決するために新たに作られる制度である。
その社説の中で、雇用主と従業員と労働紛争が増えていると書いていたが、私自身もその実感がある。
最近も、何件か相談を受けたり、代理人として相手方と交渉したりした。
労働紛争が増えている原因として、リストラなどが増えたこともあるだろうが、それ以外にも、インターネットなどによって情報が容易に取得でき、自分のケースがどのようになるのか予測ができるようになったことも大きいのではないかと思う。
雇用主側の立場で労働者と交渉すると、実によく調べていると感心することがある。
ところで、法律は、基本的には労働者の味方である。
そのため、労働者側の代理人のときは、強気でどんどん攻められる。
逆に、雇用主側の代理人になったときは、防戦一方という感じである。
雇用主が防戦一方にならないためには、最初からハンデイであることを自覚して、十分証拠を収集しておく必要があるだろう。
それにしても、労働者側の代理人を務めたり、雇用主側の代理人を務めたりで、弁護士はまさに「こうもり」である。
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