2004年06月07日(月) |
不起訴の場合でも供述調書を開示 |
日経(H16.6.7付)社会面で、法務省が、不起訴の場合でも供述調書を開示することにしたと報じていた。
不起訴の場合、これまでは、被害者が閲覧できる書類は実況見分調書などに限られていた。
そのため、不起訴になったが、被害者が納得せず、民事訴訟を提起した場合に、十分な証拠がなく、被害者保護に欠ける面があった。
とくに、供述調書は、事件の比較的直後に、捜査官の前で供述した内容であるから、信用性は高く、それを開示させる必要性は強い。
したがって、不起訴の場合でも供述調書を開示する方針に改めたことは喜ばしいことである。
ただ、開示する要件として、「供述した人が行方不明や死亡などで出廷できない場合」を挙げているのは問題である。
この要件を厳格に運用すると、死亡や行方不明というのはあまりないだろうから、供述調書が開示されるケースは相当限られてしまうだろう。
被害者保護の見地からは、「供述者が出廷を拒否するなど、法廷での供述が期待できない場合も含む」と解して運用すべきであろうと思う。
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