2004年07月28日(水) |
東京地裁が、住友信託の言い分が認め交渉中止命令 |
日経(H16.7.28)1面トップで、東京地裁が、住友信託銀行の言い分を認めて、UFJに対し、三菱信託銀行との交渉の中止命令を出したと報じていた。
新聞は、「基本合意書に法的拘束力が認められた」と相変わらずピントの外れた書き方をしていたが。
当事者が独占交渉権について合意した以上、それに法的拘束力があるのは当然である。
したがって、独占交渉という合意に反して三菱信託銀行と合併交渉した場合は、合意違反として損害賠償の問題になる。
問題は、仮処分において交渉禁止が認められるかである。
基本合意書では、合併までは義務付けていないはずである。
合併を義務付けることはできない以上、独占交渉の合意に違反したとしても、住友信託としては、損害賠償請求するしかない。
すなわち、三菱信託との交渉を禁じても、UFJが合併に応じない以上、住友信託としてはいかんともし難いのである。
それゆえ、住友信託は、正式の裁判で損害賠償請求すればいいのであって、仮処分で交渉禁止を認めても意味はないということになる。
法律要件としていえば「保全の必要性に欠ける」ということである。
私は、東京地裁が交渉禁止まで認めるとは思わなかったし、仮処分を認めた東京地裁の判断はいかがなものかと思う。
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