| 2011年07月13日(水) |
賃貸人と賃借人が対等な関係になっている |
日経(H23.7.13)社会面で、関西地方などである敷金(保証金)から一定額を引き去る「敷引特約」が、消費者契約法に照らし無効か否かが争われた事件で、最高裁は、敷引特約は有効との判断を示した。
一審、二審では「特約は無効」と判断していたが、これを覆したものである。
有効とする理由は、賃借人が敷引特約があることを明確に認識した上で賃貸借契約の締結に至ったのであれば,それを無効とする必要はないというものである。
ただ、その様に解する背景には、次のような地代認識があると思われる。
現在では全住宅の15パーセント近くが空き家であって、建物の賃貸人は入居者の確保に努力を必要とする状況にある。
そのため、賃貸人としては、毎月の賃料を低くして、代わりに権利金、礼金、敷引き特約などにより相当の収入を得ようとしたり、あるいは権利金などをなくし、代わりに賃料は高くするなど様々な工夫をしており、それには経済合理性がある。
他方、賃借人も,賃貸借契約の締結に際し、様々な物件、賃貸条件の中から総合的に検討し選択することができる状態にある。
このように、賃貸人と賃借人が対等な関係になってきているという時代認識がある。(田原補足意見ではこの点を明示している)
そのような対等な関係であれば、敷引特約という契約内容を明示している以上、それを無効にする必要はないということになる。
問題は少し異なるが、現在、更新料が有効かどうかが争われており、近々最高裁の判断が示されるようである。
この点、前記のような賃貸人と賃借人が対等な関係になってきているという認識を前提とするならば、更新料もまた有効ということになりそうである。
|